両手でいろんな曲が弾けるようになると「指が思うように動かないなぁ」と思う方も多いのではないでしょうか。指の練習にはハノン!ピアノを習う人は必ず通る道、動く指のための練習曲集です。大人になってピアノを始めた人にもおすすめの教材です。
ハノンとは?
フランスの作曲家シャルル・ルイ・ハノン(アノン)(1819〜1900)が1873年に出版した練習曲集です。音階や分散和音の練習曲。”ピアノの難しさをとく鍵”ハノン先生からのメッセージです。
◎教本のTopに書かれている「はじめに」
- 指を動きやすくすること
- 指をそれぞれ独立させること
- 指の力をつけること
- つぶを揃えること
- 手首を柔らかくすること
- 良い演奏に必要な特別な練習を全部入れること
- 左手が右手と同じように自由になること
この1冊は130ページ程あるのですが ”この1冊は1時間で弾けます!”とも書いてあります。毎日1冊を弾く事を繰り返すと動く指作りが完成です。
1冊を1時間で弾くのはなかなか難しいです。まずは1番から丁寧に弾いていきましょう!
◎練習ポイント
- 運指(指づかい)は必ず書かれている通りに弾くこと
- 音の間違いはNG
- リズム練習から始める
- メトロノーム60で弾く(ややゆっくり)
- メトロノーム108で弾く(速く)
- まずは1番から20番を練習する
練習の方法
まずは、1番から20番まではじっくり練習、少し速く正確に弾けるようになると次にいきましょう。リズム練習は1番の前に「1番の変奏の例」という楽譜があります。13、14番から始めることがおすすめです。その他、ハノンが進むにつれて、違うリズムで弾くことが効果的です。1つの課題で2つのリズムで弾いてみましょう。
21番から38番まではやや難しくなってきます。ここで「もういやだなぁ〜」とめげそうなら、一旦ブレイク、39番〜41番の音階(スケールとアルペジオ)に進むのも良いと思います。(出来る方は順に進んで下さい)長音階と短音階のスケールを弾くことはとても大切な練習。理論をあまり理解していない人は、ここで「ハ長調」とは何?「イ短調」とは何?を把握し、楽典を学ぶいい機会にもなります。
ハノンの練習は指の練習に必ず役立ちますが、やはり名曲は弾いていきたいですよね。モーツァルト、ベートーベン、ショパン、名曲を弾くことでテクニックは上達します。練習時間のバランスを考えて、指のウォーミングアップとして必要な時間、ハノンを弾きましょう。
my ハノン練習方法
小学生の頃から持っているハノンですが、この本から遠ざかって早数十年。毎日1時間1冊練習を続けていたら、今頃すごいことになっていたんじゃないかな?と思ったりします。でも、弾かなかったわけで、今は練習にもあまり時間を取れないという理由もあります。知り合いのジャズピアニストが「毎日やっぱり最低ハノンはやるよね」と聞き、数年前からハノンを復活しました。
1番から10番、11番から20番と、10曲を1つにまとめにして、順にメトロノームに合わせて弾いています。今はジャズを弾くことが多いので、裏拍アクセントのリズムで弾きます。
前から順に弾く、後ろから順に弾く、奇数番号から弾く、偶数番号から弾くようにしています。1つ飛ばしにすると弾きづらく感じることが新たな発見でした。10曲束にしてお試しください。
そして、楽譜はiPadに保存して、楽譜の見え方は少し小さいですが、iPadを見ながら弾きます。
他にもある良い教材
指のウォーミングアップの教材はハノンが有名ですが、「ピシュナ」もおすすめします。J.ピシュナの60の練習曲のための教材の導入書である、「リトルピュシュナ」で十分に力が付きます。
特徴として、1曲の中で12の調を弾きます。つまり、#、♭はたくさん出てきます。黒鍵、白鍵の半音階の練習に最適です。ハノンと並行して指のウォーミングアップに弾くことも良いです。1番、2番だけでも弾きこなす事で、弾き方にも変化があるはずです。ゆっくりのテンポから、少しづつテンポアップしていきましょう。
OTO