テンポとは
テンポとは、イタリア語で「時間」のことです。音楽ではどのくらいの速さなのかを表します。つまり、1拍の間が広いか狭いかによって、音の速さが決まります。音楽にとって、テンポはとても大切です。曲の持つイメージや雰囲気はテンポによって変わります。
テンポを表す記号
楽譜の冒頭にある記号は、テンポの記号や奏法を指示する記号が書かれています。上記の楽譜には「Moderato」と書かれています。Moderate「中くらいの速さで」の意味です。楽譜には曲をどのくらいの速さで演奏するのかを示すためにテンポに関する記号が書かれています。
Lento (レント)=とても遅く
Largo(ラルゴ)=ゆるやかに
Adagio(アダージョ)=遅く
Andante(アンダンテ)=歩くような速さで
Moderato(モデラート)=中くらいの速さで
Allegretto(アレグレット)=やや速く
Allegro(アレグロ)=速く
Vivace(ヴィヴァーチェ)=活発に速く
Presto(プレスト)=急速に
※テンポを表す記号はまだまだあります。ここでは基礎になる記号を書いています。
※記号はイタリア語ですが、ドイツ語、フランス語、英語など作曲者の言語で書かれているものもあります。
メトロノーム記号
テンポを表す記号は感覚的なイメージですが、メトロノーム記号は具体的な数値で表されます。「♩=120」は、1分間に120回打つ速さの意味です。確実にこの速さで弾くことも大切ですが、音楽には数値では表せないテンポがあります。自然なテンポ、揺れ、感じ方があります。楽譜の冒頭に「♩=120」などの表記があれば、メトロノームで「120」を設定し、テンポを確認しましょう。あくまでもお手本で弾くときのテンポです。必ずこのテンポで弾く必要はありません。お手本の速さを確認し、まずは半分くらい「60」のテンポで練習していくことをおすすめします。メトロノームを鳴らしながら弾くことは大変難しいです。半分くらいのテンポでほぼ弾けるようになったら、「勝手にゆっくり弾いていないか?」「勝手に速く弾いていないか?」を確認する意味でメトロノームを使用することがおすすめです。
テンポ記号の今昔
昔の作曲家は自分で作曲をした曲を自ら演奏していました。作曲家でもあり、演奏家でもあったので、自作曲を演奏するテンポは作曲者本人が一番理解していました。時代とともに、作曲者以外の演奏家が演奏するようになり、楽譜にテンポ記号が記載されるようになりました。「このテンポで弾いてくださいね」という作曲者からのメッセージですね。
メトロノームのいろいろ
メトロノームは、1812年にオランダ人のヴィンケルが発明し、1816年にドイツ人のメトロンが改良し、特許を取得したもの。これを用いて、はじめて楽譜にテンポ記号を記載したのがベートーベンだそうです。ーWikipediaよりー
- ピアノの上にあるイメージのカチカチという三角形メトロノーム
- 電子メトロノーム
- 電子ピアノ、キーボードの機能にあるメトロノーム
- タブレット、スマートフォンのアプリにあるメトロノーム
持ち運びできるので、無料のメトロノームアプリはおすすめです。
電子ピアノの中にメトロノームが使える機能がほとんどの機種にあります。練習するときのお供になるので便利です。無料アプリもたくさん出ていますが、シンプルなのが使いやすいです。テンポ(数字)の変更が出来、好みの音が鳴るメトロノームであれば十分です。アプリではiosのものですが「Tempo Lite メトロノーム」が使いやすいです。
指の練習、ハノンや、バイエルやチェルニーの練習曲はメトロノームをつけて練習すると効果的です。感情を入れて弾きたい曲にメトロノームでの練習は、部分練習では使いますが、全体的には使いません。テンポが揺れて感情を出しますから機械的になると不自然です。1曲何かメトロノームを使って弾いてみると新たな発見があります。